背景

現在お肌を保護して症状を和らげる外用製剤として主に下記の製剤が市販されています。
①成形剤(パップ剤・プラスター剤等)

 

パップ剤とは湿布の1種です。水分を多く含むジェル状の軟膏を布やフイルムに貼り付けたものです。パップ剤は、多くの水分を含んでいるので貼った時の感覚はいいのですが、剥がれやすく布・フイルムの上から再度テープを貼ったりしないといけません。また、使用後は廃棄用のごみとなります。

プラスター剤は更に薄くした湿布剤です。

②半固形剤(軟膏剤・クリーム剤等)
③液剤(ローション剤等)

従来の外用製剤の足りないところ

下記に示すような欠点がそれぞれにあり、お肌の症状・適性等を考慮して選択する必要があります。

パップ剤

・粘着力が弱くテープ等で補助が必要になります。
・貼付け時に衣服への付着など貼付のにくさがあります。
・有効成分の低い利用率と高い廃棄率 ~ 効果のある成分の比率が低く、テープ等余分な割合が多いです。
・乖離後の不燃性医療廃棄物としての環境負荷 ~ 廃棄時の処理が困難な場合があります。

プラスター剤

・貼った後、時間の経過とともに粘着力が強くなり、剥がすときに皮膚が痛いとか、傷むことがあります。
・長時間貼っていると、皮膚のカブレ・発赤の発症等の原因になります。

軟膏・クリーム剤

・塗ったクリーム・軟膏が衣服について汚れたりします。
・意識的に必要以上の量を塗ったり、取れ易いので何回も塗ったりしないといけません。
・汗や水で取れ易く、効果が薄れやすく、効果の持続性が難しいです(頻回投与の必要性)。

研究課題

本研究課題は上記の製剤を補えるような被膜形成の開発です。

  1. 塗布後約30秒以内に皮膚上に角質層に近い厚さの皮膜を形成する。
  2. 形成皮膜は耐水性(汗や水で除去されない)で長時間持続する。
  3. 形成皮膜は透明性を有し、お肌の外観を損ねない。
  4. 形成皮膜は皮膚に近い接触感覚を有し、お肌に違和感を感じさせない。
  5. 形成皮膜は半密封で保湿性を保つ必要がある。
  6. 形成皮膜の患部の皮膜保護と有効成分の徐放性でゆっくりとお肌に浸透していく。
  7. 使用後の廃棄物が少なく、環境負荷が低減 ~ 塗った材料は徐々に垢となって無くなっていくので、廃棄するものはない。

研究成果

皮膚に塗布すると約30秒以内に透明で厚さ約30μmの耐水性被膜(フィルムスキン)を形成し、患部を保護し、使用後は剥離・除去の必要もなく、廃棄物もほとんど出ない為に極めて環境負荷もなく、地球環境にやさしい製剤が誕生しました。

応用可能例

医薬品

・確実な治療と第三者への感染予防の可能な水虫治療薬
・緊急時の止血包帯(治療+保護)
・機能性消炎鎮痛 外用剤(持続的効果+医療廃棄物無し)

介護用品

・褥瘡予防と処置+感染症予防
・老化皮膚の保護(皮膚裂傷の予防)

医薬部外品

・手保護剤(治癒促進+皮膚感作防止:アレルギー予防)
・忌避剤(蚊・マダニ等害虫の持続的防除)
・制汗剤(持続的多汗症治療・防臭)

化粧品

・日焼け防止剤(制汗と耐水性による持続的効果)
・化粧崩れしない基礎化粧品(被膜補正)
・シミ・皺の補修と化粧(被膜補正)

スポーツ用品

・足裏保護剤(マラソン・ジョギング等の足裏の皮膚剥離防止)
・手保護剤(ゴルフ・テニス等の手の平の保護・滑り止め)